細い通路の先に奥の敷地が広がる「旗竿地(はたざおち)」。
形状が特殊なことから、土地探しをしていると必ずと言ってよいほど目にするタイプの土地です。
一見すると使いにくそうに見えますが、
工夫次第で魅力的な住まいづくりや投資としての活用も可能です。
今回は、旗竿地の特徴と、実際の活用ポイントについて分かりやすくまとめました。
■ 旗竿地とは?
道路に面した細長い部分(“竿”)の奥に、建物を建てる敷地(“旗”)がある形状の土地のことを指します。
接道条件を確保しながら敷地面積を有効活用できるため、都市部でもよく見られます。
■ 旗竿地のメリット
1. 土地価格が比較的抑えられやすい
同じエリアの整形地に比べ、一般的に価格が抑えられる傾向があります。
接道部分が狭いことで敬遠されやすいためですが、建築計画がきちんと立てられる人にとっては“割安感”につながります。
2. プライバシーを確保しやすい
道路から建物が奥まっているため、通行人の視線が気になりにくいのが特徴です。
単身者向け住宅など、落ち着いて暮らしたい入居者に好まれるポイントにもなります。
3. 周囲の音が届きにくい場合がある
前面道路との距離があるため、交通量の多い道路沿いよりも静かな住環境になるケースがあります。
■ 旗竿地のデメリット
1. 日当たり・風通しの確保が課題になりやすい
奥まった土地は周囲に建物が隣接しやすく、採光・通風の工夫が必要になります。
窓の位置計画や吹き抜け、ハイサイドライトなどの建築的な工夫が重要です。
2. 車の出入りが難しい場合がある
竿部分が細い・曲がっているなど、通路の形状によっては車両の出入りに制約が生じます。
入居者用の駐車場を設ける場合は計画上の工夫が必要になりますが、
都市部ではもともと「駐車場なし」の賃貸需要が成立しているエリアも多いため、
エリア特性を踏まえた判断が重要です。
3. 工事費がやや高くなることがある
搬入経路が狭いため資材搬入が制限され、重機が入れないことも。
その場合、工事手間が増えるため工事費が割高になるケースがあります。
4. 通路部分の維持管理が必要
自分の敷地内である竿部分は、私道と同様に管理が必要です。
舗装の補修や除草など、整備を怠ると生活動線に影響が出ます。
■ 旗竿地の活用例
1. デザイナーズアパートで「隠れ家感」を演出
旗竿地の持つ“奥まった立地”は、デザイナーズ物件と相性が良い場合があります。
共用部をコンパクトにまとめつつ、室内に光を取り込む工夫を行うことで、
「静かに暮らせる」「落ち着いた雰囲気がある」物件として差別化しやすくなります。
2. 中庭・吹き抜けを活かした開放的な空間づくり
旗竿地は周囲の建物の影響で採光が確保しにくいことがあります。
敷地にゆとりがある場合には、中庭(パティオ)や吹き抜けを設けて
建物内部に光を取り入れる方法もあります。
スペースが限られる土地では難しいものの、
実現できれば明るさとプライバシーを両立できます。
3. 戸建賃貸の計画も選択肢に
複数戸のアパートとしては動線計画が難しい形状でも、
1棟の戸建賃貸としてなら柔軟なレイアウトを組めることがあります。
旗竿地の価格メリットを活かしつつ、戸建需要を取り込むことも可能です。
4. 竿部分を“魅せるアプローチ”にする
竿部分を単なる通路としてではなく、
植栽やライトアップなどで「入り口から世界観をつくる」演出もできます。
敷地の個性としてプラスに転じるアプローチです。
■ 旗竿地を検討する際のポイント
・接道条件(建築基準法上の4m接道)を満たしているか
・竿部分の幅と長さが、車両の出入りに適しているか
・周囲の建物高さ・窓位置など、採光条件がどうか
・将来の賃貸需要(駅距離・駐車場条件など)と合致しているか
旗竿地は“使いにくい土地”というイメージを持たれがちですが、
適切な設計と用途の選択によって、むしろ個性や魅力を引き出せる土地でもあります。
土地形状に合わせた計画を丁寧に進めることで、
資産価値のある賃貸住宅として十分に活用することができます。
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