アパート経営では、様々な税金に対する軽減制度が存在しており、
所得税や相続税、固定資産税などの各種の税金を節税できる可能性があります。
やみくもに始めるのではなく、どの税金をどのように節税することができるのかを知り
上手に活用することができれば節税効果を十分に享受することが可能となります。
今回は、アパート経営を行う所有の土地と建物にかかる『 固定資産税・都市計画税 』の節税についてご紹介。
ポイント1 小規模住宅用地の特例
固定資産税は、土地や家屋などの所有者に対して、その固定資産の価格をもとに算定・課税される税金です。
都市計画税は、市街化区域内にある土地や建物の所有者に対して課税される税金です。
税額は、固定資産税評価額に基づく課税標準額に対して、下記のように計算されます。
固定資産税 | 課税標準額×税率(標準税率1.4%) |
都市計画税 | 課税標準額×税率(制限税率0.3%以下) |
税率は一律ではなく、固定資産税は1.4%を基準に、都市計画税は0.3%以下の範囲で、市区町村が決定します。
アパート経営をすることによってこの 固定資産税・都市計画税 のそれぞれが安くなると言われる所以は
アパートのように人が住む家屋が建つ土地(住宅用地)については
優遇措置として、『小規模住宅用地の特例』の適用がなされるためです。
住宅用地特例率 | |||
区分 | 固定資産税 | 都市計画税 | |
小規模住宅用地 | 住戸1戸につき 200㎡以下の部分 | 評価額の 1/6 | 評価額の 1/3 |
一般住宅用地 | 住戸1戸につき 200㎡を超える部分 | 評価額の 1/3 | 評価額の 2/3 |
※400平米の土地に住宅が建っている場合は、
200平米までが小規模住宅用地で、200平米を超えた200平米分は一般住宅用地として扱われます。
都市計画税は、引き下げ率が固定資産税に比べ低くなっていますが
固定資産税と同じく、小規模住宅用地の特例を受けることでアパート建築による節税が可能です。
土地を更地のままにしておく場合と比較しても、毎年かかるコストを確実に軽減することができます。
ポイント2 建物の軽減措置
また新築の場合にのみ、固定資産税には建物に関する軽減措置も設けられています。
新築住宅の場合、当初の固定資産税の負担が大きいため、それを軽減するための措置となっています。
下記の要件に関して注意が必要ですが、要件を満たすことで
建物にかかる固定資産税額は 120㎡にあたる広さまで が、通常 3年にわたって1/2 となります。
≪ 要件 ≫
- 2024年3月31日(令和6年)までに新築された住宅であること
- 3階建以上の耐火・準耐火構造建築物
- 賃貸住宅:1戸あたり40㎡以上280㎡以下
また、建物の構造等により軽減期間の延長もあります。
- 3階以上の耐火・準耐火建築物 … 5年分
- 認定長期優良住宅 … 5年分
- 3階以上の耐火・準耐火建築物かつ認定長期優良住宅 … 7年分
固定資産税を含む税金に関する措置は頻繁に改正されるため、
日頃から関心を持って新しい情報を掴むことが大切です。