林藤彩弥加

デザイン営業部 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士 第2種電気工事士・消防設備士乙6
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退去後の原状回復費用、どこまでオーナー負担?

賃貸物件では、入居者が退去する際に「原状回復費用」が発生することがあります。
しかし、この費用をどこまでオーナーが負担すべきなのか、迷う方は少なくありません。

実は、原状回復の考え方には国が定めたガイドラインがあり、
そのルールを知っておくことでトラブルを防ぎ、適切な賃貸経営につながります。
この記事では、オーナーの負担範囲をやさしく整理してお伝えします。

■ 原状回復とは「元どおりに戻す」ではなく、あくまで“通常損耗を除いた回復”

原状回復=入居前の状態に完全に戻すこと、とイメージされがちですが、
本来は「入居者の故意・過失や通常を超える使用によって生じた損耗を回復すること」が正しい定義です。

つまり、時間の経過による劣化や、生活する上で避けられない傷み(通常損耗)オーナー負担となります。

■ オーナー負担になる「通常損耗」とは?

代表的な例は次のとおりです。

・家具の設置跡
・日焼けによる壁紙や床材の変色
・経年劣化した設備(給湯器・エアコンなど)の不具合
・掃除しても落ちない換気扇や水回りの汚れ
・入居年数相応のクロスの痛み

これらは入居者の責任ではなく、建物や設備の“消費”として考えられるため、オーナーが負担します。

■ 入居者負担になるケース

一方で、入居者が費用を負担するのは、次のような“通常を超える使用”による損耗です。

・飲み物をこぼしたまま放置してできたカビ汚れ
・壁への大きな穴、落書き
・ペットによる傷や臭い(禁止物件の場合)
・結露を放置してカビを大量発生させたケース
・タバコのヤニ汚れ(禁煙物件)

オーナーとしては、入居者負担と判断される部分を適切に請求しつつ、
証拠となる写真や記録を残しておくことが大切です

■ 紛争を防ぐために大切なのは「入居前の説明」と「記録」

原状回復費用は、退去時に意見の食い違いが起きやすいポイントです。
トラブルを防ぐために、次の2つを意識しておくと安心です。

・入居前に、禁止事項や注意点をしっかり説明する
・入居時・退去時の室内写真を残しておく

これらを行うだけで、どちらの責任範囲か判断しやすくなり、余計なストレスを抱えずに済みます。

■ 賃貸経営のポイント:設備更新は「投資」として考える

原状回復はコストではありますが、オーナー負担となる経年劣化部分は
見方を変えれば 物件の価値を維持するための投資 です。

・古くなった設備を更新する
・汚れたクロスを貼り替える
・水回りをクリーニングする

こうした積み重ねが、退去後の再募集を有利にし、結果的に空室期間の短縮につながります

まとめ

原状回復費用は、「オーナー負担」「入居者負担」のルールを理解しておくことで
ムダなトラブルを避け、健全な賃貸経営につながります。

・通常損耗はオーナー負担
・故意・過失による損耗は入居者負担
・入居前の説明と写真記録がトラブル防止につながる
・経年劣化部分の修繕は入居付けを強くする“投資”

こうした基本を押さえておけば、退去のたびに悩まされることなく、安定した運用に近づいていきます。

 

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