債券の利率は、発行時に定められたものが最後まで変わらない
固定金利です。
持ち続けている限り、利回りは変わらないことになります。
一方で市場の金利は日々変わります。
そこで、市場金利の動きによって債権の価格が変わってしまうわけです。
例えば、期間10年で利率1%の国債は、銀行の1年物定期預金が0.05%のときは
価値が高くなります。市場金利が低い状況で、これから先さらに低くなりそうな
ときは、利率1%の国債は買い時となります。
逆に、1年物の定期預金の金利が2%に上がると、国債の価値は下がることになり
買い控えた方が良いことになります。
国債を持っている間に市場金利が上昇すれば、国債を持っている人たちは、
金利上昇に対応する他の金融商品を買おうと思います。
反対に金利が低いときは、利率の高い国債を手放すのは勿体ないと
思い、そのまま国債を保有しがちになります。
従いまして、
「金利が高い→国債の利率が上がり、買う人が多くなる」
「金利が低い→国債の利率が下がり、価値が下がる」
ということになります。
例えば、国債が多く出回り、価値が下がれば、
100万円で買った国債なのに95万円で売らなければ
ならなくなります。
そこで5万円の損が出ますので、当然儲け(利回り)は
下がります。
反対に出回る国債が減れば、価値が上がります。
100万円で買った国債を105万円で売れば、その時点で
5万円の利益が出て全体の利回りも上がります。
山田 崇