名古屋市の中でも、近年とくに注目されているエリアのひとつが「金山」です。
金山総合駅を中心に交通・商業・文化が融合したこの街は
名古屋駅に次ぐ都市拠点としての役割を果たしてきました。
そして今、名古屋市が進める都市計画によって、金山エリアはさらに新しい表情を見せ始めています。
本記事では、そんな金山の現状と今後のまちづくりについてご紹介します。
▼【まちづくり構想】エリア情報 金山編part.1
▼【まちづくり構想】エリア情報 金山編part.2
■再整備で成長・発展する金山エリア
都市計画を定め、新しいまちづくりの実現に向けて取り組みが進められていく金山エリア。
令和7年2月年に「金山駅周辺まちづくり計画」及び
「アスナル金山エリア再開発整備実施方針」が策定され、
具体的にどう整備が進んでいくのかが公表されています。
今回は金山がどのように変わっていくのか、
主要な再整備エリアを取り上げ、取り組み内容をご紹介いたします。
●アスナル金山エリアの再整備
令和10年2月の事業用定期借地の期間終了を見据えらえているアスナル金山。
中部圏第2位の交通結節点である駅前に相応しい
国内外から訪れる来訪者の多様なニーズに対応した交通機能の再配置を行います。
駅前に都市機能を高度に集積させつつ、
駅とまちの接点になるオープンスペースが地上部に配置されます。
向田町線北側街区周辺においてはまち全体への回遊性向上に資するウォーカブル空間を創出し、人々をまちへ誘引する連結拠点としての活用が目指されています。
アスナル金山のにぎわいを継承し都市魅力を高めるよう
シンボルとなる駅前複合施設は街区中央から西側にかけて配置されます。
また、既存の地下鉄出入口を機能として確保し、
街区内の地下空間の拡大及び駅前複合施設との一体的な整備も検討されているようです。
文化芸術機能として新たな劇場の第3ホールの導入が図られており
さらに金山総合駅北口から新たな劇場までは
統一感のある景観と開放感ある一体的な空間でつながれる予定です。
新たな劇場への見通しを確保することで人々を駅周辺のまちへ引き出し、
滞在・交流・回遊拠点として機能が強化されることでしょう。
(駅前複合施設の都市機能構成のイメージ 『アスナル金山エリア再整備実施方針』より)
●古沢公園・市民会館エリアの再整備
市民会館は開館から約50年が経過し
老朽化やバリアフリー等への対応のため再整備が必要になっていました。
このエリアでは、地域住民や来訪者が利用するオープンスペースを
劇場を中心にアスナル金山街区から連続的に配置する予定となっています。
また、既存の市民会館南側道路を一部廃道することにより
駅から新たな劇場への一体的な空間形成が図られています。
第1ホール・第2ホール等を備えた新たな劇場は
「まちに開かれた劇場」として総合的な文化芸術拠点となることが期待されています。
古沢公園は、新たな劇場の整備に合わせエリア内北側をリニューアルし
新たな劇場と景観・意匠などが調和した魅力的なエリアとなりそうです。
●駅南口エリアの利活用
金山南ビル美術館棟は平成30年10月のボストン美術館閉館後、
短期貸付による暫定利用を実施しており
企画展とアスナル金山との連携イベントを実施する等、
まちのにぎわいに貢献してきました。
今後は、駅南口エリアでは既存の公共空間を利活用したソフト施策の展開及び地域や都市再生推進法人と連携した管理・運営により、にぎわいの強化が目指されています。
南口駅前広場や金山南ビルの屋内公開空地(インターコモン)等、
広場空間における一体的なイベント等が実施され、より活気のあるエリアとなりそうです。
さらに駅南地区だけでなくウォーカブル界隈や駅北地区と連携したイベント等も実施される予定となっており、まち全体の回遊性・滞在性が向上していきそうです。
●金山総合駅連絡通路橋の利活用
駅南北地区をつなぐ金山総合駅 連絡通路橋は、高い乗換え利便性に加え
情報発信機能やにぎわい交流機能の向上のためリニューアルが行われます。
地域の住民や海外からの観光等、様々な来訪者への情報発信の他、
地震や大雨による災害時の帰宅困難者対策等、多様なサービスの提供の場となるようです。
さらに都市再生推進法人による取り組みとして、広告・イベントへ活用されていきます。
●道路空間の再編や利活用
都市再生特別措置法や歩行者利便増進道路(ほこみち)等の制度活用により
道路や駅前広場等における居心地が良い公共空間の創出を図ります。
東雲東古渡町線を金山駅北地区の新たなにぎわいの象徴となるシンボル軸として位置づけ、
歩道拡幅や交通規制により、新たな劇場、公園、オープンスペース、民有地と連携した「歩きたくなる歩行者空間の実現」が検討されています。
向田町線はアスナル金山街区との連続性を高めるため
車線減による歩道拡幅を検討しており
エリア一帯のにぎわいや歩行者の回遊性が向上していきそうです。
●ウォーカブル界隈の形成
名令和5年度末、名古屋市は再整備を行う一帯のエリアを
「滞在快適性等向上区域※」に設定しました。
※歩道拡張、公園の交流拠点整備、建物低層部のガラス張り化等
区域の快適性・魅力向上を図るための整備を重点的に行う区域
沿道建物低層部の店舗の充実・オープンスペース化等に向けて
まちなかウォーカブル推進事業やまちづくりファンド等の支援策を活用し、
居心地が良く歩きたくなるグランドレベルの実現に向けて取り組みが進められています。
●その他・エリアマネジメントや文化芸術の施策展開
金山総合駅を中心に駅南北地区一体となった整備が進められていきますが
ハード面だけではなく、官民連携しての文化芸術施策の展開等、
ソフト面の充実も図られる予定です。
快適な地域環境の形成やその持続性の確保、住民・事業者等の地域への愛着や活力の増進等を目指し、情報発信やオープンスペースの積極的な開放等、地域団体と協働したエリアマネジメントが展開されていきます。
■【人・文化・芸術とともに育つまち】を目指して
駅北側のエリアだけをとってみても、アスナル金山エリア(約1.7ha)に
都市計画道路向田町線、東雲東古渡町線、古沢町線支線第4号線、古沢町線支線第5号線、古沢町線支線第6号線、金山一丁目第1号線、金山一丁目第2号線及び東古渡町第2号線の各道路を加えた「 約3.6ha 」という広範囲が再整備対象として検討されています。
また、駅からの歩行者動線以外にもバスやタクシー、一般車等を含めた車両動線の整備も行われるため、誰にとっても分かりやすく使いやすい環境が整えられていくことでしょう。
(機能配置のイメージ 『アスナル金山エリア再整備実施方針』より)
これまでに触れたアスナル金山を中心とした商業機能や文化芸術機能の充実に加え
金山駅周辺の業務床の供給増加や駅前複合施設への宿泊・教育・公共機能の導入も検討されており
今後さらに多様な人々が集い、滞在しやすい街としての発展が期待できます。
次回は、再整備が行われた金山で今後どのような変化が予想されるのか、
アパート投資の視点から解説していきます。どうぞお楽しみに。
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